初公演から5年、記念すべき第10回目の公演は、私たちDolceAmaroの主要レパートリーである16世紀終盤のマドリガーレの原点とも言うべき、IL DIVINO CIPRIANO、神の如き、と評された作曲家「チプリアーノ・デ・ローレ(c.1515 – 1565)」のマドリガーレを特集します。
前企画で演奏したバルバラ・ストロッツィ(1619 – 1677)から遡ることほぼ100年前の作品となるローレのマドリガーレは、古き良きマドリガーレ、という言葉に私たちを落ち着かせてはくれず、丁寧な対位法の中に驚くべき革新を持ち合わせます。
17世紀初頭の音楽家たちは、例えばモンテヴェルディとアルトゥージのように、革新的な作曲法を目指す者と伝統的・保守的な作曲法を守り続ける者とに二分されましたが、ローレはその双方から、一方からは模範的作曲家と讃えられ、また一方からは新たな作曲法の先駆者として紹介されています。
批判し合い、論争するその両陣営が互いに評価する作曲家、チプリアーノ・デ・ローレ。その美しい対位法の中から逸脱はせず、それでいて時折現れる過度な跳躍、半音階進行、不規則な進行は、約500年後の私たちの耳にも新しく楽しませてくれる…そしてそれらはやはり、その半世紀後の先駆的作曲家たちが目指したように、詩の、言葉の表現として運用されたのでした。
全てア・カペラ、そしてもちろん全て世俗曲でまとめた「ローレ100%」の今企画。お聞き逃しなく!!!
【6/13(土)】第10回公演〜チプリアーノ・デ・ローレのマドリガーレ あるいは 『神の如きチプリアーノ』〜 会場:神田キリスト教会
¥4,000価格
2026年6月13日(土) 15:00開演(14:30開場)



