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第4回公演のプログラム案内③

さて、いよいよ公演まであと2日。明後日の14時には開演です。


おそらく公演前のプログラム案内はこれで最後ですね。最後は有名な作曲家の紹介です。



この人の作品も、DolceAmaroで歌うのは初めて。


オラツィオ・ヴェッキ

(Orazio Vecchi, 1550 - 1605)です。


ヴェッキと言えば『アンフィパルナーゾ(L'Amfiparnaso)』という程に、このマドリガル・コメディで有名な作曲家ですが、もちろん真面目な?マドリガーレも書いていますし、当時から名声を博した作曲家でした。


とはいえやはり真面目なマドリガーレはあまり多くは書いておらず、マドリガル・コメディの他にもSo ben mi ch'ha bon tempoのようなバッレットや特にカンツォネッタを好んで書いた作曲家で、宮廷のみならず市井に広く人気だったようです。


今回の演奏曲は、ラウラ・ペペラーラに捧げられた曲集 Il Lauro Secco(枯れた月桂樹, 1582年フェッラーラ版)から、Fummo felici un tempo (私たちはかつて幸せだった)です。


ラウロ・セッコは翌年のラウロ・ヴェルデ(Il Lauro Verde, 緑の月桂樹)とともに、当時フェッラーラで結婚したラウラ・ペペラーラに捧げられた曲集です。この曲集の編纂にはタッソも関わっていたと言われていて、もちろんいくつかの曲はタッソの詩に書かれています。

マレンツィオの曲から始まり、最後の32曲目は同じくマレンツィオの10声の曲で、全31名の作曲家がそれぞれラウラを讃える曲を書いています。


1582年という年代もあり、20年後の新しい時代のような派手さはないですが、端正なポリフォニーで書かれた美しい曲です。


Fummo felici un tempo, Io amante, et amato, Tu amata, et amante in lieto stato. Tu d'amante nemica Poi divenisti, et io Volsi in disdegno il giovenil desio.

Sdegno vuol, ch'io te'l dica, Sdegno, che nel mio petto Tien viva l'onta del mio don negletto. E le fronde ne svelle Del vostro lauro, hor secche, e già sì belle.


私たちはあの時幸福だった、

愛し、愛された私と、

愛され、愛したお前は幸せに暮らした。

それからお前は恋する者の 敵となり、そして私は

若さの欲望を軽蔑するようになった。

侮蔑は私がお前にそれを言う事を望む、

侮蔑、私の胸の内に、無下にされた私の

贈り物による羞恥を生かし続ける侮蔑が。

そして枝々を落としきる

今や枯れ果て、それでも美しいお前達の月桂樹の枝々を。

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