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執筆者の写真dolceamarotokyo

第6回公演プログラムの作曲家①

埼玉県は比企郡小川町の石蔵コンサートも終わり、2月10日、13日の第6回公演に向けてのリハが始まりました。


大谷石でできた大きな石蔵で、もう三度目となりました小川町のNESToでのコンサートでした。

温かな雰囲気で、いつも居心地良く感じています。


100年の石蔵、と良く言っていますが、実は今年で99年。来年には晴れて築100年となります。




さてさて、今回は、プログラム内でも特にマイナーな作曲家エットーレ・デッラ・マッラ(Ettore della Marra)について、軽くご紹介を。





あれ、、、





えっと、、、





そう、いや、ご紹介を…といっても、ほとんど情報、資料がない作曲家なのです。




とはいえ、della Marra家はナポリに古くからある、由緒ある貴族の家ではあります。こちら、della Marra家の紋章。


が、Ettoreの生まれた年は不明。



父親の生まれが60年頃、という記録はあり、また91年出版のステーファノ・フェリスのマドリガーレ集の献辞には親子共々名前が出てくるので、恐らくエットーレは1575年〜80年頃なのではなかろうか、と思っています。もはやただの予想でしかありませんが。。。



没年については、1634年1月にナポリで亡くなった、との古い記録が残っており、これは信頼して良い記録かと思われます。


自身の名でマドリガーレ集は出版しておらず、現存している作品は2つの曲集に2つずつの、合計4曲のみ。他にパートが欠損したカンツォネッタか何かが存在するとも言われていますが、見ていません。そして今回、この4曲のうちの一曲を歌います。


2曲が収められた一冊は、Crescenzio Salzilliというこれまたエキセントリックな曲を書く作曲家の曲集。因みにSalzilliの曲は、残念ながら今回は演奏しません。


そしてもう2曲は、Teatro de madrigali という、ナポリの様々な作曲家の作品を集めた曲集の中に収められています。


今回は後者、Teatro de madrigaliに収められた曲を歌います。


曲目はParlo, misero, o taccio? です。



何度かinstagramなどにも載せていますが、この曲はQuinto パートの楽譜が一部欠損しています。

世界中にもうこの楽譜しか残っていない為、他のパートのモチーフなどを見ながら、なんとか綻びを繋いで演奏できるようにしました。

そしてDolceAmaroはパート譜で歌っているので(強制ではないけど)、パート譜も一応直しています。


他の楽譜に入った2曲も面白そうですし、そちらの曲にすればよかったんですが、Parlo, misero o taccioはGuariniの詩で、結構多くの作曲家が曲に書いているのです。それこそモンテヴェルディも書いていますね。

その割には実はまだ一度も歌ったことがなかった為、今回触れてみたいと思い選曲しました。このdella Marraの曲も、名曲だと思います。こんなに作品が残っていないのが信じられないほど、良くできていると思います。私としては今回一番、出会えて嬉しい曲。


どんな曲なのかは、是非2月10日、13日にお確かめ下さい!


埼玉公演ご予約:https://tiget.net/events/278343

東京公演ご予約:https://tiget.net/events/278342

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